トヨタ自動車では、仕事に使う資料は「紙1枚」にまとめているそうです。
シンプルにまとめるというのは、実は難しい。
しかし、1枚にまとめると、仕事の効率が高まります。
元トヨタ社員の浅田すぐるさんが、誰でも紙1枚にまとめられるように
具体的な方法を伝授してくれる本を紹介します。
『トヨタで学んだ「紙1枚!」にまとめる技術』
(浅田すぐる)
私がこの本を読んだのは、ちょうど1年前。
この本をキッカケに、著者である浅田すぐるさん
主催のワークショップ「1枚ワークス(1 sheet Frame Works)」も受講しました。
この1年で、どんな効果が得られたのか?
その振り返りを兼ねて、ブログ記事にまとめていこうと思います。
今回は、キッカケとなった本
『トヨタで学んだ「紙1枚!」にまとめる技術』
についてまとめます。
この本から学んだことを、ひと言でいうと
仕事が楽になる型を得た
です。
この本に期待したこと
私は、仕事に使える報告書類の様式をつくりたいと思っていました。
その理由は、
- 説明したことが、相手に伝わっていなかった。
- 相手が説明していることが、理解できない。
という経験をしていたからです。
そのため、勘違いばかり。仕事の成果が、なかなか出ません。
「この前、あんなに説明したのに。理解してくれてなかったのか」
と気づいたときのショック。
私のグループでは、相手に伝えたり、相手の話しを理解することに、膨大な時間を費やしていました。
伝え方を改善すべき、と考えていました。
その時に、本書に出会いました。
伝えるのに必要な項目は何か?を知りたかったのです。
以下、本の内容です。
トヨタの1枚
トヨタでは、どんな仕事もベースには「1枚の書類」があります。
1枚にまとめる効果は以下。
- ひと目で全体が見える
相手が「読んでわかる」ではなく、「見てわかる」状態。
短時間で伝わります。 - どれくらいわかっているか「見える」
1枚にまとめるには、考え抜く必要があります。
1枚にまとめるために、考え抜きます。
また、相手の1枚を見れば、どこまでわかっているか見えます。
トヨタの1枚は、5つのテーマで構成されています。
それは、
①目的 ②現状 ③課題 ④対策 ⑤スケジュール
です。
書類に記載すべきポイントがはっきりしているので、
考える時間が減らせるし、伝える時間も短くなります。
資料作成の3ステップ
実は、資料作成そのものより、その前段階である「思考整理」が大切なのです。
本書で紹介している3つのステップが、資料作成の基本です。
資料作成に留まらず、仕事の基本と言っても良いものです。
- 考えるベースとなる「情報を整理する」
- 自分なりの「考えをまとめる」
- 書類の内容を誰かに「伝える」
私の説明が相手に伝わらなかったのは、この「思考整理」ができていなかったからでした。また、相手の話しが理解できない場合、大抵は相手が思考整理できていないことに気づけました。
そのため、
「何のためにやろうとしてるの?」
「これは、どういうこと?」
「えっ?なんでそう言えるの?」
「で、どうするの?」
など、質問ばかりになっていました。
勘違いから話がどんどんズレ、どんどん時間を消費していました。
自分の考えがまとまっていないのに、相手にうまく伝わるはずはありません。
当たり前のことでした。
それが、できていなかったです。
思考整理の具体的な方法
では、どうやって思考整理すれば良いのか?
本書では、その具体的な方法が記載されています。
著者の浅田さんは、実践できるようになるには、
「動詞」ではなく「動作」で伝える必要があると主張します。
ビジネスの現場では、「動詞」による言葉が多く、具体的にどうすればいいかか分からず、頭を悩ませる人が多い。
それを目に見える「動作」にすれば、誰でも再現できるようになります。
例えば、
「目的を意識する」は動詞。
これを動作にすると、「目的を書き出した紙を、繰り返し見る」です。
先ほどの資料作成の3ステップも、動詞で終わっています。
「整理する」「考えをまとめる」「伝える」
どれも抽象的で、具体的にどうすればいいかよくわからない。
そこで本書では、具体的な思考整理法を「動作」で説明しています。
その代表が、「エクセル1」という型です。
必要なものは、
・テーマ
・3色(緑、青、赤)のペン
・1枚の紙
です。
「エクセル1」の使い方を簡単に書くと以下です。
- 紙にフレーム(枠)を書き、テーマを書く。(緑ペン)
- フレームをキーワードで埋める(青ペン)
- 赤ペンを使い、印や矢印を書きながら、考えをまとめる。
恐らく、これだけでは実践できないので、詳細は本をご覧ください。
また、本を読んでも、実際に「エクセル1」を書いてみないと、使い方は身に付かないし、その効果も実感できないと思います。
私も、実際にエクセル1を「使ってみて」、その効果を実感しました。
◇自分は、どう活かした?
- トヨタの1枚の様式を使った
この本の特典として、トヨタの1枚のエクセル様式をダウンロードできます。
私の当初の目的であった「仕事に使える報告書類の様式」は、これで手に入れることができました。
実際に、1年経った今でも、この様式を活用しています。
- 「思考整理法」を実践
「エクセル1」などの型を使うことで、短時間で資料作成できるようになりました。
実践前は、資料作成に半日以上かかっていたようなものも、現在では1~2時間もあれば資料を完成できるレベルになりました。
ブログの記事をまとめる際にも、活用しています。
- 短時間で伝わるようになった
しっかり思考整理して1枚にまとめ、その資料を見せながら伝えることで、話がスムーズに伝わるようになりました。
以前は、内容が分からないという質問ばかりでしたが、その様な質問が激減しました。
この本をキッカケに、少し大げさですが、人生を変えるような非常に濃いスキルを得ました。